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 長崎県美術館(出島町)で同日から始まる「瀬戸内寂聴展」(8月31日まで)開催記念事業として企画された同イベント。「戦争が人を一番不幸にする」と説く瀬戸内さんと、「戦後世代に必要なのは真の知識と教養」と訴える美輪さんは誕生日が同じということもあり、長年交流を育んできた旧知の友。戦後・被爆後70年を迎え、美輪さんの故郷でもある長崎で、戦争を体験した2人が「これからを生きるあなたへ伝えたいこと」をテーマに対談する。

 瀬戸内さんは1922(大正11)年5月15日、徳島市生まれ。東京女子大卒。「夏の終わり」(1963年)で第2回女流文学賞を受賞。「花に問え」(1992年)で谷崎潤一郎賞、「白道」(1996年)で芸術選奨文部大臣賞など多くの受賞歴を持つ。2006年には文化勲章受章。1973(昭和48)年、51歳の時に中尊寺で出家得度。京都嵯峨野の寂庵を中心に法話活動を行っていたが2014年、腰椎圧迫骨折と胆のうがんの手術により法話活動を一時中断。約1年間の療養生活を経て今年4月、京都・寂庵の法話を再開した。今回の長崎講演は活動再開後初の遠出となる。天台寺名誉住職。比叡山延暦寺禅光坊住職。執筆活動は現在も続けている。

 美輪さんは1935(昭和10)年5月15日、長崎県出身。小学生のころから声楽を習い、16歳でプロ歌手として活動を開始する。1957(昭和32)年、「メケメケ」が大ヒット。日本におけるシンガー・ソングライターの元祖として「ヨイトマケの唄」など、多数の作品を手掛ける一方、俳優、タレントとしても活躍。舞台・映画・テレビ・講演・著作と幅広く活躍する。寺山修司の「毛皮のマリー」や、三島由紀夫と組んだ「黒蜥蜴(くろとかげ)」ほか多くの舞台に出演。近年では宮崎駿監督のアニメーション映画「もののけ姫」「ハウルの動く城」で声優も手掛けた。「紫の履歴書」「人生ノート」「花言葉」など著書多数。

 長崎講演を前に瀬戸内さんは次のようにコメントを寄せる。「私はこの5月で満93歳になりました。去年、92歳になったばかりで圧迫骨折で病床につき、胆のうガンの手術までしました。死に損なってなぜかまた生かされたのです。あとわずかの余生を、小説を書き続け、戦争反対、原発反対に命を賭けたいと決心しました。そのため、神仏から再び生かされたのだと思います。大好きな美輪さんと、長崎でそんな話がしたいものです」

 美輪さんは直筆で「戦争とは政府からの赤紙一枚の命令書で、あなたの愛する家族、つまり父や夫や子どもや恋人が、必ずむごい殺され方をするということです。しかもそれは、あなたたちが選挙で選んだ人たちが出した命令書なのです」とコメントする。

 講演会では対談のほか、長崎新聞の連載企画「瀬戸内寂聴 心を照らす一問一答」に連動し、会場内で「公開お悩み相談」も予定。瀬戸内さんは同日10時から長崎県美術館で行われる開場式であいさつとテープカットを行う。


長崎で瀬戸内寂聴さんと美輪明宏さんがトークショー  - 長崎経済新聞