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 「それで今日は何のお話かしら」。スポニチ本紙社会面で連載中の「美輪の色メガネ」(毎月第1土曜日)を執筆している美輪明宏さんとは、2005年11月にスタートした「世なおしトークあれこれ」以来かれこれ10年ほどのお付き合いになる。折角の機会なので、このコーナーで美輪さんの知られざる素顔と意外とお茶目なその魅力を思いつくままに紹介していければと思う。

 月に1度原稿の打ち合わせで必ずお目にかかっている。かつては週1ペースでご自宅にお邪魔していたこともある。恐らくてマスコミの人間の中で私が一番多く貴重なお話を直接拝聴しているのではないか。今では「美輪学校」の一番弟子と自負している。誠に幸せなことである。何せファンの間では、まさに神様のような崇高な存在。私を含め顔見知りのスタッフの何人かは、尊敬の念を込めてミワ様(もちろんご本人のいないところで)と呼んでいる。

 それにしても、あの知識量は半端ではない。まるでコンピューター並みだ。政治、経済、歴史、芸術、さらに恋愛問題から嫁姑の諍い、なんと子育てまでオールマイティ。答えられないものは何ひとつない。そんなミワ様に最近では仕事の話が済んだ後、図々しくも個人的な悩みにも乗ってもらっている。忙しい身だろうに、いつもどんなことでも優しく私の些末な話に耳を傾けてくれる。

 一昨年のこと、大学受験を控えた娘の相談をした。すると、ミワ様はしばし目を閉じ、「大丈夫よ」とひとこと。「マジですか」と半信半疑に問うと「あなた、私のことを信じられないの」。その一言に思わず「しまった」。そんなやりとりの1カ月後、娘は第1志望の大学に無事合格した。驚いた。偏差値が随分と足らなかったのに。後日、ミワ様いわく「彼女には強い女性の守護霊がついてるのよ」

 「美輪さんと仕事をすると幸せになれる」。そう話す業界人は多い。話だけでなく実際に成功を収めている人がいる。ミワ様は突然、「あなた、社長になるわよ」と目の前の人にお告げのように伝えることがある。「まさか僕なんてなれるわけがありませんよ」と苦笑いしていた人が何人も大企業のトップに上り詰めている。「あの人もこの人もそうなのよ。なぜかひらめくのよね」と当の本人は楽しんでいる様子だ。そう言えば、私の友人もある日、同様の指摘を受けて社長になったばかりだ。やはり何か見えない力が働いているのだろうか。

 不思議なのはそれだけではない。美輪邸の庭に植えられた何の変哲もないレモンの木には一年中、黄色く大きな実がたわわに実っている。「ただ水をあげてるだけなのにね」。こんな最強のパワースポットに私は毎月1度足を運んでいる。それだけでも幸せなのに、先日、ミワ様本人にお茶を入れてもらい饅頭まで運んでいただいた。ああ、身に余る光栄。「幸せは感謝することから始まるのよ」。まさしくおっしゃる通り。日々、感謝、感謝です。


出典:スポニチ