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間違った体に心が宿ってしまった人たちの葛藤は計り知れない。現代ではそうした悩みを持つトランスジェンダーが、一昔前に比べて少しオープンになり「性転換手術を受けたトランスジェンダーカップル」「トランスジェンダーきょうだい」の話題を過去にテックインサイトでもお伝えした。このほど世界初とされるトランスジェンダー親子のニュースが、英紙『Mirror』や『Daily Mail』などで報じられている。

米ミシガン州デトロイトに暮らすコーレイ・ハウスさんは、11歳の時に自分がトランスジェンダーであることに気付いた。きっかけはYouTubeスターの“Jazz Jennings(ジャズ・ジェニングス)”の動画だったという。

「ママ、僕も彼女と同じだよ。僕は女の子なんだ」と母親のエリカさんに打ち明けたコーレイさん。そして14歳になった時に、エリカさんから女性ホルモンの「エストロゲン」を投与するように勧められたそうだ。

実はコーレイさんがトランスジェンダーであることに理解を示したエリカさんも、長年自分の性に苦しんでいた。エリカさんは2015年、コーレイさんがホルモン治療を始めたすぐ後に、家族に心情を打ち明けることにした。

10年連れ添って来た夫レスさんと6人の子供たちに話したところ、家族全員がエリカさんに協力的な姿勢を見せてくれたそうだ。エリカさん自身は昨年2月から男性ホルモンの一種「テストステロン」を服用し、名前をエリックと名乗っている。


来月には乳房の除去手術をする予定とのことだ。

現在コーレイさんは、性転換手術が可能な18歳になるのを待っている。公表しているトランスジェンダー親子としては、おそらくエリックさんとコーレイさんは世界初になると言われている。間違った体を持ってしまった親子が、オープンにすることで互いに得たのは「自由な心」だった。

母親から父親へ変わったエリックさんは英紙『Mirror』にこう語っている。

「夫も子供たちも、今までと同じように本当の私を受け入れてくれました。夫も全てにおいて協力を惜しまず、素晴らしい家族に恵まれています。オープンにしたことで、夫婦としての絆がより一層強くなった気がします。」

“母と息子”から“父と娘”へ。ユニークな形であれど、この家族の絆は最強であろう。

出典:“母と息子”から“父と娘”へ トランスジェンダー親子として暮らす家族(米) - エキサイトニュース(1/2)